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訣別

私の声をさえぎるように、主治医はこう言った。

「そもそも、カウンセラーにもいろいろあって、
 ちゃんとした資格を持った人もいれば、
 中には、資格もないのに占い師のようなことで相談にのる人もいる。
 うちで、私がカウンセリングをできないこともないが、
 あなたの場合は、このまま薬を飲みながらいくのが一番です。」

「はい。ありがとうございました。」
とだけ答えて、診察室を出た。

薬が出されるまでの間、ずっと考えていた。
一つのことを考えていた。

「もう、ここは私が来るところじゃない」

薬を受け取り、金を払い、
入り口を出て、振り返りもせず、車に乗った。

しばらく車を走らせていた。

帰宅すると、ちょうど妻がいたので、主治医との件を話すと、

「以前伝えたあの病院に行ってみない。」
「あ、うん…」

そういえば以前から、セカンドオピニオンをもらう方がよいのではないかと、
妻から言われていた。
妻は次の病院を捜してくれていたのだ。

「どんな病院か雰囲気を見に行くつもりでいってみない?」
「あ、そうね。」

その病院の予約がとれたので、行くことになった。

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